May 20, 2006

死にかた 

Category : デジタルモノ

iPodが死んだ。

購入してから3年と少し、この旧い10GBモデルを毎日のように使っていた。
家電製品に対する一般的な感覚からすると、
3年強という寿命は微妙ではあるが、
バッテリーはもはや数時間しか保たないようになっていたし、
フリーズも頻繁に起こるようになっていたので、
寿命を全うしたと無理に考えることもできなくはない。

iTunesの曲を取り込もうとMacintoshに接続した時に
iPodが固まったので、iPodを再起動した。
奴が死んだのはその時である。
iPodの中にあった筈の曲データは全て消えた。
MacintoshはiPodを認識すらしなくなったので、「復元」すらできない。

問題にしたいのはその死にかただ。

譲って自分一人で勝手に死ぬのは仕方ないとしても、
一緒に刺していたヘッドフォンまで巻き込んで死んだ。

思えば、奴が死んだ時、
「ブチッ」という音がヘッドフォンから聞こえたのだ。

気付くと右チャンネルの音が聞こえなくなっている。
ヘッドフォンは愛用していたB&OのA8である。
音質は普通だったが、装着していることを感じさせない、
疲れないヘッドフォンだった。15000円位したと記憶している。

家電製品の死亡にまつわる品質としては以下の3か条がある。
・早く死なない
・簡単に死なない
・周囲を巻き込んで死なない

これらの条件を満たすために、開発者はトライアンドエラーを繰り返し、
山のように試作品や試組品を壊す。
特に最後の条件については、コストとのせめぎ合いの中で
妥協点を探すしんどいプロセスを踏む必要がある一方、時節柄、
拡大損害防止の観点から最近どんどん要求が高くなっている条件でもある。
様々な死に方を予測、網羅する作業も辛苦に満ちている。

思うにアップルはこの点で甘いのではないか。

これが他社製品なら、怒ってこのメーカーの製品を未来永劫買わない決意をする。
しかしiPodには代わりがない。
そのインターフェース・質感に馴染むと、
他メーカーのmp3プレイヤーを買おうとは思わなくなる。

私は忸怩たる思いを抱きながらヨドバシカメラに向かった。
出勤時に音楽は欠かせない。
朝のコーヒーと同様、モーニングマーチはもはや生活の一部となっている。
(最近のモーニングマーチはこれだ)

液晶が大画面化するであろう次のバージョンを買う心算だったのだ。
iPodのアップデートは多分、近々にある。
購入タイミングとして今は最悪に近いのかもしれない。

ともあれ、第五世代のブラックモデルを購入して帰ってきた。
だが手放しで喜べず、複雑な気分で新しいiPodと壊れたヘッドフォンを眺めている。

iPod5G

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